うめぼし日記

人生はどうしてこんなに酸っぱいの

遊ぶ相手がいないと嘆くTRPGオタクが、友達どころか、“ある意味で推しの中の人”と知らない間に同卓してた話


検索か何かで辿り着いた人は初めまして。

こちらの記事は、先月5/28に開催された「TRPGフェスオンライン」の「オクトパストラベラー体験会」に参加した人間の、たった1時間半のセッションに対しての私個人の日記めいたものと、あの日時間的都合やその他諸々で伝えきれなかった感想etcがエゴサか何かで関係者の方にいつか届くといいな~~」という淡い願望も込められた記録になります。

(説明の都合上、コンシューマゲーム「オクトパストラベラー」の話題がありますが、シナリオの核心的なネタバレみたいなのはしてないのでご安心ください)

 

さて、こんなタイトルから始めてはみたものの、一体どこから話そう……。


HNは「梅干」と申します。
TRPGフェスには「きんぎょ」名義で参加していました。
(まぁ参加したとはいえ、たった1時間半のセッションでしたから、私のことは同卓した方も誰も覚えてないと思います)


私はTRPGゲーマーの中でも積みゲーマーと呼ばれる人種です。


TRPGを遊びはじめて早数年にはなりますが、「世界観」「遊びやすさ」「面白さ」の全てが自分の中で満点のシステム、いわゆる「魂のシステム」を私は未だに探しているところがあり(そんな高すぎる理想は一生満たされないと分かってる)(※魂のシステムではなくとも大好きなシステムは山のようにあるよ)、

中にはルールブックを買うだけ買って一度も遊んだことがないというシステムも数多く、半ばルールブックを集めるのが趣味と化してる部分があります。

 

なぜルールブックを買ったのに遊ばないのか?

 

 

……そう!!
何故ならそれは一緒に遊ぶ友人がルールブックに付属してないからである!!!

遊ばないのではない、遊べないのだ!!!



…自分で言ってて悲しくなってきた。



これは色んなTRPGシステムに手を出すタイプのTRPGプレイヤーの数多くが通る“あるある現象”と思うのですが、


「プレイヤーがやりたくてせっかくルールブックを買ったのに、プレイヤーを一度くらい経験して感覚を掴んでからGMをやってみたいと思うものの、その“最初の1回”を遊ぶチャンスがない。
周りに布教しようとPL経験0の状態でサンプルシナリオとかのGMもやってみたりもしたものの、結局それ止まりで終わってしまい、いつまでたっても自身がそのシステムのプレイヤーをするチャンスが無い」


きっとこの現象に身に覚えがある人、私以外にも沢山いるはず…。

 

 

…やっぱり自分で言ってて悲しくなってきた。


コロナ禍前は属している地元のTRPGサークルに頻繁に顔出ししてGMもPLも満喫していました。

しかしコロナ禍以降、私は居住地がサークルのプレイングスペースとは若干の遠方&高齢の家族もいるため公共交通機関を利用しての長距離を移動しての参加がたとえワクチン3回摂取したあとでも環境や心理的に難しい…という状況になり、それが今も現在進行形で2年以上続いています。

それゆえに、オフライン卓中心だった私は自然とTRPGというそれそのものからフェードアウトをしかけていました。


オンラインセッションでの飛び込み、いわゆる野良卓を探して遊んでみよう!と思った時期もあったものの、Twitter内で好きなシステム名で探してみると大抵既にどこも仲良い人のプレイグループみたいなそんなものが出来ている。


たとえ「誰でも歓迎」を掲げたプレイヤー募集卓があったとしても、よく見るとその参加希望者はプレイグループのイツメンで埋まってるということだって多くて、もはや自分が入る隙なんてどこにも無さそうで飛び込む勇気が中々出ない。

意を決してそんな見ず知らずの方のプレイグループに混ぜてもらった日もありましたが、よりによってそんなグループ内で自分の預かり知らぬところで他の人同士で何らかの人間関係トラブルが発生したらしく、数回に分割してやるつもりだったセッションが2~3ヶ月ぐらいまたいだ挙げ句に私には具体的な理由も説明されぬまま途中で空中分解した…という悲しい出来事にぶち当たりまして。


閑話休題
それから全く見ず知らずの人の野良卓に飛び込むのが余計に億劫になってしまい、GMこそは何度かやったものの、年単位でTRPGの「プレイヤー」をする経験とは疎遠になっていました。


今年になってからの私は「プレイヤーがやりたい…」と呪詛のようにぼやいていた、そんな矢先のことでした、
Twitterのタイムラインに「TRPGフェスティバルオンライン春 プレイヤー募集」の告知が流れてきたのは。



──TRPGフェスティバル。

それはかつて、ホテルの一部を貸しきって行われた宿泊型のTRPGコンベンションという大型イベントのこと。

TRPGをリリースしている企業がメーカーの垣根を越えてシステム著者あるいはその関係者による公式GM卓の提供をしたり、グッズや書籍の物販したり、或いは参加者がGMとしてセッションできるスペースまで用意されている。
遡れば(前身の旧JGC時代まで含めると)1996年から開催されているという、TRPGゲーマーにはかなり垂涎ものな歴史あるイベント。


噂には聞くものの地方民たる私には一生無縁な代物だろう、と思っていたのですが、昨今の社会情勢で大型のTRPGコンベンション開催は困難となり、近年はこの「TRPGフェス」も宿泊型のイベント開催を諦め、Discordを用いたオンラインセッションへと移行していました。

(昨今は感染症対策やワクチン接種の普及により各種イベント開催のハードルも低くなってはきましたが、それでも複数人がひとつのテーブルに集ってワイワイおしゃべりするというTRPGの特質上、大規模なTRPGのオフラインコンベンションは開催も慎重になるのも無理はないことです…)


"コロナ禍でオフライン卓とは疎遠になった私が、コロナ禍でオンライン化した雲の上のイベントに手が届くようになる。"


これを幸か不幸か何と呼べばいいんだろう…。


しかしそのTRPGフェスの告知、そりゃシステム著者の先生方、或いはそのメーカーの関係者の方による卓なのですからお金を払ってでも遊びたい気になるセッションは沢山あるものの(もちろん有料イベントなんですが)
その日の午前中に仕事が入っていた私は「いずれの卓も正午から開催か~ じゃあ無理だなー」と安易にあっさり諦めモードになりました。


…そんな中で、参加者募集一覧の中に

「オクトパストラベラーTRPG 体験会」

の文字を発見します。


今年の2月に発売されたばかりの「オクトパストラベラーTRPG」の戦闘パート部分のみが楽しめるという簡易卓のイベント。

…あっ、このパートなら夕方から開催の分がある!
これなら私でも時間都合的に参加できそう。
あと体験会なので無料で参加できるという敷居の低さ。

そして何より、この「オクトパストラベラーTRPG」、私にとって"遊びたくてルールブックを買ったはいいが、一度も遊べてはいないゲームのひとつ"でした。

こんな千載一遇のチャンス、逃してはいけない。

オクトパストラベラーTRPG(以下、公式名称に倣い「OTRPG」と略記)、既存の類似ルールの作品からふんわりと流れを理解はしているものの、ここで戦闘のやり方の感覚がつかめたら私がGMする敷居も下がりそう。

思い立ったが吉日、即座に私は参加予約フォームから「たかが無料の体験会だけど参加予約する人なんているんだろうか…」とおそるおそる思いつつ、人生初・TRPGフェスに参加希望の申請を出しました。(※蓋を開けたら結構体験卓でも予約者いた)


……長かった。
やっと本題に入るぞ!

 


「遊ぶ相手がいないと嘆くTRPGオタクが、友達どころか、“ある意味で推しの中の人”と知らない間に同卓してた話」

 

まずはOTRPGの説明をする前に、「オクトパストラベラー」の話をしましょう。

「オクトパストラベラー」、こちらスクウェア・エニックスから2018年に発売されたゲームになります。
Nintendo Switchをはじめ、STEAMやXBOX ONEなどでも好評配信中。

詳しくはググれで片づけてもいいんですが、簡単にゲームの概要を説明しておきましょう。

このゲームは「オルステラ大陸」という、剣と魔法チックな中世風ファンタジーの世界を舞台に、生まれも育ちも旅の理由も違う、8人の主人公の旅の物語をオムニバス形式で描くRPGです。

 

街のマップグラフィックは「HD-2D」という技術を用いて、ドット絵をベースにしたテクスチャを3Dに起こした画面で描かれているのが特徴です。(公式のトレーラームービーを見ればわかりやすいと思う)
そのため「新しいけど、どこかレトロゲーの趣もある」という雰囲気のビジュアルになっています。

またシステム面も独創的で…これも説明するより公式のトレーラームービーを見たほうが早そう…
ってことで公式のトレーラームービーを貼っておきます。



…で、これを書いてる私は、このゲームを発売日当日に購入した熱心なプレイヤー……ではありません。
そんな人間が熱く語ってしまうの、なんだか肩身が狭いですけど。


ニンテンドーダイレクトだったか、このゲームの初報が出た時に「あー面白そう!!」とは思ったものの、なんだかんだで日々忙殺されて購入することなく……。

そして時は流れ、この「オクトパストラベラーがTRPG化する」という話を私は今年の1月に聞きつけ、周囲でこのコンシューマゲームの評判がよかったこと、

そしてファンタジー系のシステムは日本にも数多くあってユーザー母数がめちゃくちゃ大きいということだって知ってはいるものの、いずれのシステムも年季が入っていて大量のサプリメントも存在するとかそんなこと考えると結局それもまた遊ぶ敷居が高いので、新規のファンタジーTRPGが出てくるという環境にも惹かれたこと、

あとついでに冬にオクトラのダウンロード版の半額セールやってたってのも追い風となり、その時にやっとコンシューマ版を購入したという感じです。

 

つまり、実は私はオクトラプレイヤーの中ではかなりの新参の部類になります。
…そんな人間がこんな記事を書いてしまってなんだか先人のプレイヤー諸氏に対して本当になんだかすまない。

 

今となってはサントラと攻略ガイド本と画集と小説版を全部購入し、あとスマホ版大陸の覇者にも5月から始めたばかりなのに既にやばいぐらいに課金したぐらいに沼にハマったので許してほしい。


(…そうそう、大陸の覇者の話題をしたのでついでに捕捉しとくと、ちなみにこのオクトラ、「大陸の覇者」と冠したスマホ版がリリースされてますが、作中年表的にはスマホ版はコンシューマ版の出来事の数年前、という舞台設定になっています。
シナリオは別物だし、ゲーム内容もシステムもベースは似ておりますもののプレイ感覚はかなり異なってますのでそこらへんはお気を付けください。)

 

…話が横にそれ過ぎた。

で、このオクトラがなぜ突然ゲーム発売から間を置いたこの2022年に突然TRPG版を出したかというと。

このゲームはコンシューマ版、およびスマホ版の一部開発協力として「F.E.A.R.」というTRPGのメーカーが携わっているのです。

F.E.A.R.のメーカー代表作は「アリアンロッド」シリーズや「ダブルクロス」シリーズ、「ガーデンオーダー」、各種SRSシリーズなどなど……)


TRPG版を執筆された久保田悠羅氏がそのF.E.A.R.所属で、氏はコンシューマ版における世界観担当やシナリオ執筆のメイン部分の多くも担当されています。

その縁で、公式コンプリートガイド(すなわち攻略本)シナリオライター陣でプレイした、オクトラを題材としたTRPGのリプレイ掲載」というおまけのページが作られ、その企画がファンに好評で「実際に遊んでみたい!」という声が多数出たことから、こうして今回TRPG版がリリースされた。
…という、極めて異例な経緯から生まれたシステムになります。


(※なお分かる人向けに書くと、攻略本掲載リプレイは久保田氏の代表作「ガーデンオーダー」をベースにして作られてますが、ブラッシュアップされた製品版のOTRPGはSRS寄りの構造に変化しています)

 

……で、私がTRPGフェスに参加希望を出したのは、冬に購入したばかりのコンシューマ版をちまちま進めて8人全員の物語が終盤に差し掛かってた途中、そんなタイミングで今回のTRPGフェスに応募していた、っていう形になります。

(このゲームのコンシューマー版、「ひとりのキャラのエピソードを集中的に先に終わらせる」とか人によってプレイングスタイルは様々かと思いますが、私は8人全員の第1章をクリアしたら全員の第2章へ、というように満遍なくキャラ育成&シナリオを進める方式でやってました)

 


TRPG体験会に応募の申し込みをしてから数日後、無事にオクトラTRPG体験会のプレイヤー予約完了のメールが届き、予約してよかったと一息。
(なおオクトラ体験会は最終的に予約プレイヤーで全部枠が埋まっていたという盛況さでした)


そしてセッションの数日前にDiscordサーバーの招待メールがTRPGフェス公式から届き、そしてその指示に従ってサーバーに入る。

万が一知り合いに遭遇したらなんとなく気まずいわね、と思い、一応サーバー内でのニックネームを普段のHNではなく「きんぎょ」名義に変更。
(結局知り合いはいなさそうだったんですけど)


Discordサーバー内では既にいろんなチャンネルが用意されていて、チャンネルごとに「シノビガミ卓用」「クトゥルフ神話TRPG体験会」だとか分かれていた形でした。
なんだかその部屋分けの様子がかつて参加したことのあるオフラインコンベンションを思い出し、画面上の文字列を見ただけでなんだかとてもワクワクしたのをとても覚えてます。

GM参加受付チャンネルのところに、TRPG会では著名な先生方が「〇〇卓GMの××です。権限付与よろしくお願いします」という連絡書き込みをしていたのが見えたことも、余計にその感覚をくすぐって臨場感を掻き立てられました。

「嗚呼、私は今ここで、あの先生方と同じ空気を吸ってるんだわ…!!(※吸ってません)みたいな。

 

で、肝心のオクトパストラベラー体験卓なのですが、
GMが誰なのか、サーバーに入るまでは全く告知がなくて知らされてなかったんですよ。

で、そこで「丹藤武敏さん」という方がセッションの概要や注意事項の書き込みをされていて、
その時の私は「あぁ、おそらくF.E.A.R.の方がGMされるんだな~」ぐらいにしか思わなかったんです。
まぁ実際その通り、丹藤氏はFEAR在籍の方なんですけど。


……歴戦のTRPGプレイヤー、あるいはオクトラ知識がある人はこの方の名前を聞いただけで、このブログタイトルとこの話のオチをだいぶ察したんじゃないかと思いますが、
実際その通りっていうかそれだけの話なんですけど、はい、よかったらブラウザ閉じずに我慢して続きを読んでください。

 

この話のオチのヒントといたしましては

この人はTRPGを遊ぶ機会がないので何かと積みゲーマーをしている
(そのため、ルールブックは持っているものの特に遊ぶ機会がないシステムのリプレイ本は購読していない)

・コンシューマ版のオクトラはプレイ途中
(そのため、攻略情報等はなにひとつ検索していないし、当時「公式コンプリートガイド」を未購入である)

という私に関して置かれた状況がポイントです。



話を戻そう。


「自己紹介とか原作知識の有無とかの挨拶をチャンネルに書いておいたほうがスムーズな進行のためには良いのだろうか……?  でも、たかが1時間半の体験会セッションに対して情熱が空回りしている奴がいたらそれもそれで周りから引かれるかも…」


そんな風にぐるぐると考えを巡らせて、結局自己紹介書き込みもしないまま、当日は巡ってきます。

自身が属していないどこのチャンネルも、見学申請を出してないので参加してないセッションの直接見学はできない身なものの、自己紹介だとかの書き込み部分は参加者皆閲覧できるので、いろんなチャンネルで次々と卓の打ち合わせの様子が書き込まれるのを見るたびに、コンベンションの他卓のテーブルの横を通りかかって歩いているような、そんな気持ちを掻き立てられたりはしました。


私の参加したOTRPG体験会はその日3回開催されることになっていて、
①お昼からの部、②夕方からの部 ③夜の部 …と3回あり、私が参加したのは②の夕方16時からの部でした。

そしてどきどきしつつ、実際のセッション開始。
開始直前に、TRPG版を執筆された久保田先生がボイスセッションのチャンネルに少しだけ顔出しされて簡単に挨拶されて、ド緊張して相槌リアクション以外何も言えない私。

だって「ガーデンオーダー、上級まで買ってるんですけど遊べる機会と友達が全くなくて積みゲーしてます」なんてご本人の前で口が裂けても言えるわけないじゃないですか…!!
(また言ってて悲しくなってきた)


久保田氏がボイスチャットを切られてチャンネルを抜けてから、セッションが開始。
声のトーンからして、GMの丹藤氏以外、私含め夕方の部は全員女性PLだったんじゃないか…と思います。

TRPGって男性の人気が高いから「女性プレイヤーが自分だけだったら寂しいかもな~」って思ってたのが、ちょっと意外さと、安心感がありました。

…参加してた私含むPL4人の中でのオクトラ認知度はどうだったかな。ちょっと忘れてしまった。確か原作履修済みの人が私以外の方に最低でも御一方いたのは覚えてるんですけども。


そしてオクトラ原作からも全く知らないという方も御一人いらっしゃったので、「説明は勿論GMにお任せして1PLにすぎない私は黙っておくけど、何か言えそうなことがあったらルール説明の補足も時たま挟もう」ぐらいの意気込みをルールブック片手に一人で勝手にやっていた私。


(※実際に(弱点が全部で4つあるという情報が予め公開されているエネミーについて)今は弱点①と弱点②の情報が開示されてますけど、弱点②以降の『?』になってる中に弱点③と弱点④が隠れてるんですよね~」と確認するフリをしながらさりげなくルール理解のヒントめいたことは言えたので満足している)

(※OTRPG、原作知ってるとこの弱点からのブレイクシステムが直感的にめちゃくちゃ分かりやすいので、「オクトラ原作は知ってるけどTRPGやったことない」って人にもかなり布教しやすい代物にできてると思います)


※以下、今回のイベントは録音録画禁止というお話だったため、スクリーンショット等もなく、すべてが私の記憶頼みといううろ覚え話になります。
そのためニュアンスは同じでも一言一句の細かい言い回しが違うとか、話をした順番が前後してるだとか、正確性は結構欠いているということ、あらかじめご了承ください。

 

尺も短い体験会なので、単にサンプルキャラを使って戦闘の手順や流れが経験できるだけなのだろうな~と思いきや、実際のセッションでは敵の弱点情報を調べる判定ができるという簡易のミドルフェイズもどきがあり、サンプルキャラながらもそこでRPもさせてもらうことができました。


細かいエネミーの弱点等は今後同じようなイベントで使われる例もあるかもと考えて一応伏せておきますが、
私たちのセッションの場合はミドルの判定で弱点情報を一部得られていたため、サポートアビリティ「予習」を含めてエネミーの全弱点が露呈した状態からバトルがスタートし、プレイヤー優勢の状態で安定して無事エネミーを倒しての勝利となりました。

 

参加直後の当時の私のツイート。

 

 


…このツイートのプレイリポの通りなんですけど、GMの丹藤氏は、かなり軽妙なトークで場を盛り上げてくれて、突貫サンプルキャラにすぎないPCたちに
(使用サンプルキャラの中で一人だけイラストが男子のPCがいたので)彼をめぐって複雑な人間関係があるかもしれませんね~」
みたいな簡易の設定案も能動的に出してリードしてくれたので、初めから終わりまで笑いの絶えない卓になりました。

(※オクトラの攻略本掲載リプレイをご存じの方向けに言うと、「チュウ・トリアル」さんのテンション、あのままの方でした)

 

…あまり話すとネタばれになりすぎちゃうかもなのでまぁこんなもので……。

 

卓の前後も雑談できるような時間があって、原作のプレイ経験の有無とか(原作を知っているか否かで世界観説明等の度合いも変わってくるため)、そんな話もしました。


以下、覚えている限りを書きます。


・オクトラ世界の技術レベルとして、基本的には剣と魔法の中世ファンタジー世界のイメージではあるけど三大発明(火薬/羅針盤/活版印刷)がない世界であること、という説明がありました。(これはルールブックP213にも記載されてる話ですけども。)
そんな説明の後に、ファンタジーじゃがいも問題(※ジャガイモは語源がジャカルタのイモなので異世界にあるのはおかしい、というネタ談義)になぞらえて、「ジャガイモはおそらくあります(笑」と冗談めかして話されていました。


スマホ版大陸の覇者のトラベラーストーリー、初期実装されたキャラの60人分くらい?をF.E.A.R.が担当したとかいう話も聞けました。
(※ちょっと数字とかはうろ覚えなので間違っていたらすまない…)


・原作では各キャラのジョブに何を付ける派?みたいな話題が何かのはずみで出て
GM「サイラス先生に踊子つけたりとか(笑」
と言われて、
私はとっさに「いやでもサイラス先生の火力で闇属性攻撃が撃てるから踊子いいですよ!!」
という謎フォロー発言をしてしまいました。


……今になってこの場を借りて弁明しておくと誤解なんだ、
私はそんな趣味はないタイプのゲーマーなんだ、

「盗賊ジョブを付けるなら…オルベリクさんだな、試合時の耐久力が増すし」
「神官をつけるなら…うーん、プリムロゼかな。補助に専念してもらおう」


みたいな感じで他のキャラのジョブを性能重視で付けていったら
最後の余りものが踊子になっちゃってそして残ってたのがサイラス先生ただ一人、

「サポートアビリティのSP回復は美味しいし、セルフで奥義アレファンを撃って継続時間も伸ばせるし、闇属性も撃てるなら……まぁ…いっか……」って妥協した末でサイラス先生を踊子にしたタイプなんです!!!!!!



せっかくだから踊子サイラス先生の絵もこの機に描いてみたんですけど
30歳青年男性のそんな踊子姿の需要だなんて一体そんなものどこに……


……あるわね……!!

頭脳明晰、容姿端麗でバトル時の火力も高くてCV梅原裕一郎のサイラス先生にならそんな需要は絶対にどこかの層にある訳があるわね…!!!

 


・で、この手の雑談をしていたら必ずと言っていいほど出てくる話題。


GM「主人公8人の中で推しのキャラクターは誰ですか?」

 

出た。
まぁどこかで誰かから訊かれるだろうなとは思ってた。

ここで私、「えっ……全員好きだから選べない……!!」で言ってしまったんですよ。
理由は後述しますが、この時の自分の解答を今とてつもなく悔いているんです。

 

いや、「全員好きだから選べない」この感情は本当に事実で嘘偽りは一切なく、主人公8人とも箱で推せるんですけども。
(ブログ記事が脇道にそれ過ぎそう&ネタばれに関与するので詳細は語らないけど、中には最後の章読んでて泣いちゃうぐらいに感情移入したキャラも数人いる)


…ただその中の「更に特に好きなキャラ」を言うのは、見ず知らずの人がいる場で気恥ずかしい的な感覚でちょっと躊躇ってしまったこと、

そしてこの時の場にはオクトラ原作を全く知らないという他PLさんがいたので
いずれか特定のキャラに事前情報からくる色眼鏡めいたものをその時に持ってほしくないという気持ちがあったこと、

特に後者の感情が強くてで、一番推してるキャラは誰かをあの時あの場で言えなかったんです。

 

…コンシューマ版のオクトラ、主人公となるキャラが8人いて、NEW GAMEから始めるとプレイヤーは最初に8人の中から、自分のプレイの主人公を選ばなければいけないことになります。

「主人公」にしたキャラは、その当人のエピソードを全部クリアするまでは、PTから外すことができないという必須枠になるのですが。


この「主人公選び」の体験が、オクトラでは非常にウェイトが大きいよな~~って私は思ってて。


いわば他社タイトルで例えるなら、
ゲーム「ポケモン」シリーズで最初に博士から貰うポケモンがどの種類の子なのか、
「FE風花雪月」で最初に選ぶ学級をどこにするかでキャラクターへの愛着の度合いが変わってくるとか、
たとえ周回して、他のパターンを選んだ場合のエピソードを見た後でも、
やっぱり「最初に見た風景」だけは特別なものであり続ける……。


オクトラの場合は、森の奥にあるひっそりとした集落から旅立つ主人公もいれば、王城のお膝元たる大都会から旅立つ主人公もいたりするじゃないですか。


もちろんオクトラは1度のプレイで全員のエピソードを読むことができるんで
誰を主人公に選ぼうがその差は実際大したことじゃないのかもしれないけど、


同じゲームでも、どのキャラを主人公に選ぶかで文字通り「最初に見る風景」が変わるので、最初の街の印象がゲームそのものの印象に直結することを思うと、「このゲームのファーストインプレッションを左右する要素に影響を与えたくない」という限界オタクな感情「全員好きだから選べない」、こういう回答になってしまうわけです。


で、私は普段、気恥ずかしさの都合で推しキャラについてあまり強く主張しないタイプなんですけど、そしてこのオクトラというゲームの性質上、先述の通り特定のキャラに関してのみ深く語るとかやりたくないんですけど、
(さっき踊り子サイラス先生の絵を上げた人間がどの口でそれを言うのだろう)

なによりこの記事タイトルの話をする説明上で必要なので、今回は正直に自身の推しを語っておきます。

 


……このブログ記事を読んでたオクトラプレイヤーさんはこの記事の一番上にあった画像を見て察してると思うんですが、私の一番の推し、テリオンです。

(↓画像再掲:この人がテリオン)



っていうのも、私のオクトラの主人公はテリオン選択でやってまして。


最初はシステムを理解せぬままにプリムロゼで始めそうになったりもしたんですけど、「もっと、TRPGハンドアウトでいうところのPC①っぽい奴がいい」という雑な理由でテリオンで仕切り直しました。

(※だからプリムロゼも私の中では割と特別な存在で、私がオクトラを想起すると真っ先に浮かぶのがサンシェイドの街並みなんですけども)

「PC①っぽい奴」、っていう私の中の概念を一応説明しておくと、要は「正統派主人公っぽい人」を主人公にしたかったんです。

 

……で、ちょっと話それるんですけど、オクトラの8人って、TRPGハンドアウトでいうところのPC①みたいな子が「いい意味で存在しない」じゃないですか。

全員それなりにいい意味のクセがあるっていうか、TRPGハンドアウトなら全員PC③辺りに割り当てられがちな枠や境遇だと思うんです。

その中から独断と偏見に満ちた「PC①っぽい奴」をほぼ顔とあの状態の簡易なプロフィールだけで選ぶのは結構難儀しました。

それで少年的な風貌のテリオンが目を引いたのと、

あとはゲーム開始時のプロフィールのテリオン説明文にあった流れ者の盗賊の感じが、ひとつの場所に縛られない「旅人」らしさを強く感じたこと、

オフィーリアのプロフィールにもPC①っぽいなって悩みはしたんですが、
私がRPGを遊ぶ上で「ヒーラーよりシーフ系ジョブみたいなクセのあるやつが好き」ていうそんな事情も相まってテリオンを主人公に選びました。


で、"ご飯を食べるときの順番は一番の好物を最後に食べる派"の私は、
「主人公のエピソードは8人の中で最後にクリアしたい」という思いがあったので、TRPGフェスに参加した当日は、テリオンのエピソードを未クリアの状態だったんです。

だからそこも余計に重なって一番の推しがテリオンって言い出しにくい状況だった。


そのため「トレサ可愛いよね」「わかる」と他の人の話に乗ったり、その直近でエピソードクリア済みだったアーフェンの話題をしたり、そういう話題に「逃げ」てしまったわけですが。


……今となってはね。
この「逃げ」を非常に悔いてるんですよね。(理由は後述)


このあと微妙に話題が途切れて沈黙しかけたタイミングで「テリオンていつもイラストでリンゴ持ってますよね~」みたいな比較的無難めの話題を私から振って、


他の方「テリオンは林檎教…」
「林檎教って呼ぶと、『スマートフォンiPhone派』みたいなそんな風に聞こえる」
GM「テリオンはMac派だった……??」


みたいな話題ぐらいはしたけども。

 

…たった1時間半の短いセッションでしたから、それに私、割と影の薄いプレイヤーでしたから、
(※開始前に一度音が出ないというトラブルがあってご心配をおかけしました、そんな悲しい爪痕の書き込みは残した)
私以外、たぶんあの場にいた全員の誰の記憶にも私のことは全く残ってないだろうと思うのですが、
それでも私にとっては、それまで置かれた自分の状況的に、あのときの短いセッションが忘れられない良き思い出の一期一会になりました。

 

 


…で。そうなんですよ。
ここからが本題の本題というか、セッションが終わった後、この話には私個人の後日談があるんです。


……それから数日後。
私、無事にコンシューマ版でエンディングまで到達いたしまして。


そこでクリアの余韻に浸りながらスタッフロールを眺めていたわけですが。


こんな文字列が流れてきまして。

   シナリオ

    脚本


普津澤 画乃新 久保田 悠羅(F.E.A.R.)
       波多野 志郎
       丹藤 武敏(F.E.A.R.)
       遠藤 卓司(F.E.A.R.)

 

 

ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って。

 

TRPG版を執筆された久保田先生がコンシューマ版にも参加してることは知ってたんですよ。
それはね、知ってたんですよ。

 

……GM??? 丹藤さん?

そんな大事なこと、何一つ自己主張されませんでしたよね????


……落ち着いて、私……。
ほらゲームのシナリオのお仕事ってメインストーリーから
果てはアイテムの説明テキストまで多岐に及ぶものじゃない……。
些細なお仕事とかだったら言わなかった可能性もあるし……。
……いったいどこの担当をされてたのだろう???


気になった私、調べる。

丹藤氏、FEAR製の中でも人気システム「ダブルクロス」の評判のリプレイ
「春日恭二の事件簿」の執筆をされていたと知る。

うっ……ここでルールブック持ってるくせに遊ぶ機会が僅少でダブルクロスをさほど履修してなかったことが仇に……!!

 

そして、一番の注目情報。

OTRPG誕生のベースとなった「攻略本掲載のリプレイ」に、丹藤氏がテリオン役で参加してたことも知る。

 

 


……は??

刺激があまりに大きすぎる情報過ぎて、動揺。

それを知った私、即座に通販で公式コンプリートガイドを注文し、攻略部分のページは見ないように封印しながら、巻末掲載おまけのリプレイパート(おまけ企画なページの割にまあまあボリュームがある)を読む。


確かに丹藤氏がテリオン役としてリプレイ内でRPされていて、更には脚注にこんな説明も。


藤武敏さん


F.E.A.R.所属のライター。
TRPGのシナリオやリプレイを手掛けている。
『オクトパストラベラー』にシナリオで参加している。
シナリオを担当したテリオンで参戦。

 

 


は???????

 

マジ????????????

 

 

いや、え、推しのシナリオの脚本を書いたご本尊と知らぬ間に同卓してた、そんなことってある????????いやない、普通ない、あるわけないじゃん、でもあった、え、マジ、マジなの

 


……そうなんですよ、
だから悔いてるんですよ、

あの時素直に自身の本音に従って「推しはテリオンです」って言えなかったことを…!!

 

ってことで「いつかエゴサか何かでご本人に届いてくれ」って祈りながら、この記事を書いている。そんな経緯です。


テリオン、推しです。
最高にかっこいい推しを有難うございました、
って今はめちゃくちゃ言いたくて仕方ないんです。
(あとテリオン編のⅣ-7からⅣ-11の流れがめちゃくちゃ私は好きです。)

 


……あの体験卓の後、OTRPG熱が更に上がって、「野良で見知らぬ人と遊ぶのは怖いけど、それでもやっぱり遊びたい」って自身の気持ちに抗えず、
「えいやっ!」てOTRPGのオンラインセッションPL募集に飛び込んで、そこで遊んだ方々とバッチリ楽しいセッションと意気投合もできました。


あの時の卓が切っ掛けで身の回りの環境と、自身のマインドセットが一気に変わったので、本当にあらゆる意味であの短い体験卓に参加して良かったな、って心から思ってます。

 

「推しのシナリオを書かれた方……いや、ある意味では"推しの中の人"と、同じセッションを囲んだ」



コンシューマーゲーマーとしても、TRPGゲーマーとしても、
ゲーマー人生としてこんな幸せな出来事はふつう有り得ないので一生自慢できますね。

一生自慢します。



TRPGフェス、いつしかオフラインでも再開できることを祈ってるけど、
これからも私みたいな一期一会の人が増えるようにオンラインの形態でも続けてほしいなぁ、なんて。


今はいつか自分がGMする用にOTRPGのシナリオを書いてます。
複雑な奴じゃなくて、サンプルシナリオの代わりに遊べるようなチュートリアルシナリオっぽい、そんな話にするつもり。
…完成した暁には、どこかで公開できたらいいな。


そんなことを思いながらこの記事を結ばせていただきます。

 


追伸:
卓の雑談のさなかでGMの丹藤氏が仰った一言が忘れられないので、ここにイラストにする形でその記録を残しておきます。


※代弁用キャラ:テリオン(商人のすがた)

……そうですね……!!

公式コンプリートガイドの掲載リプレイを読んだ今となっては
これを言われた当時とニュアンスがかなり変わって聞こえるんですが、

確かに「ダイスの出目が振るわないせいで決め顔ムーブできないPCの様子」ほど見ていて面白いものってないですよね……!! 誰のこととは言いませんけど…!!

 


…なお私、普段はテリオンにジョブをずっと「商人」固定で遊んでます。
戦闘中の「盗む」だけじゃなく、「もっと盗む+集金」をボスに成功するまでほぼ毎度使ってます。
更に彼のSP回収能力の高さからも雑魚戦でも「紳商伯ビフェルガンの心眼」を躊躇うことなく使いまくってる。

……出るよね。こういうところにプレイヤーの性格が。